厚生年金保険の保険料

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説明する女性

厚生年金保険の保険料は、被保険者期間の計算の基礎となる各月ことに徴収され、原則事業主と被保険者が1/2ずつ負担します。

保険料は、被保険者の資格取得日の属する月から資格喪失日が属する月の前月までの標準報酬月額に応じて徴収されます。

実際に納付するのは事業主で、、被保険者が負担すべき前月分の保険料に関してはその月に支給する給与から控除して、事業主負担分と合わせて翌月末日までに納付します。

ちなみに、この保険料納付は事業主の義務とされています。

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標準報酬月額および標準賞与額と保険料の関係

毎月の給与または賞与に対する厚生年金保険の保険料は、標準報酬月額(標準賞与額)に保険料率を乗じて得た額とされています。

第1号厚生年金被保険者の場合、平成29年9月以降の保険料率は18.30%です。

保険料率は平成16年10月分から原則として毎年O. 354%ずつ引き上げられ、平成29年9月以後は18.30%で固定されています(第1号厚生年金被保険者の場合)。

公務員や私立学校教職員等、第2号~第4号厚生年金被保険者については、従来、保険料が低く定められていたため、別途保険料率引上げのスケジュールが定められています。

標準報酬月額

給料明細と給料袋

報酬とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかは問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのものとされ、ここには通勤費(交通費)も含まれます。

ただし、臨時に受けるものや年3回までの賞与等は、報酬とはされません。

厚生年金の保険料の基になる標準報酬月額は、この報酬を元に決定されます。

厚生年金保険法では、標準報酬の等級を8万8,000円(第1級)から62万円(第31級)までの31等級に区分しています。

標準報酬月額の決定方法は、資格取得時決定、定時決定、随時改定などがあります。

資格取得時決定

適用事業所に入社するなど新規に被保険者の資格を取得した人の標準報酬月額は、次の方法によって決定されます。

  1. 月給・週給など一定の期間によって定められている報酬については、その報酬の額を月額に換算した額
  2. 日給・時間給・出来高給・請負給などの報酬については、その事業所で前月に同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の平均額
  3. 1または2の方法で計算することのできないときは、資格取得の月前1か月間に同じ地方で同じような業務に従事し、同じような報酬を受けた人の報酬の額
  4. 1または2までの2つ以上に該当する報酬を受けている場合には、それぞれの方法により算定した額の合計額

決定された標準報酬月額は、1月1日~5月31日までに被保険者資格を取得した場合には、被保険者資格を取得した月からその年の8月まで、6月1日~12月31日までの間に被保険者資格を取得した場合には、翌年の8月までの各月の標準報酬月額になります。

また、同時に2以上の事業所に勤務し、それぞれの事業所から報酬が発生している場合には、それぞれの事業所で受けている報酬月額を合計した額に基づいて標準報酬月額が決定されます。

定時決定

一般的に、被保険者が事業所から受ける報酬は、昇給などで変動するため、標準報酬月額は、年に1度見直しが行われます。

毎年1回、決まった時期に標準報酬月額の見直しをすることを定時決定といいます。

定時決定は、7月1日現在の被保険者について、4月・5月・6月に受けた報酬の平均額を標準報酬月額等級区分にあてはめて、その年の9月から翌年の8月までの標準報酬月額を決定します。

ただし、報酬を支払う基礎となった日数が17日未満の月については計算から除くことになっています。

また、次のいずれかに該当する人は、定時決定は行われません。

  • 6月1日から7月1日までの間に被保険者になった人
  • 7月から9月までのいずれかの月に随時改定または、育児休業等を終了した際の改定が行われる人
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随時改定

資格取得時決定や定時決定で決められた標準報酬月額は、昇給や降給などの理由で適正な額でなくなることもあります。

こういった場合、一定の要件を満たすことで、標準報酬月額が変更されます。

これが随時改定です。

随時改定は、以下の3つのすべてにあてはまる場合に行われ、改定の時期は、固定的賃金の変動があった月から4ヶ月目です。

※固定的賃金とは、基本給・家族手当・役付手当・通勤手当・住宅手当など稼働や能率の実績に関係なく、月単位などで一定額が継続して支給される報酬をいいます。

  • 昇(降)給などで、固定的賃金に変動があったとき
  • 固定的賃金の変動月以後継続した3ヶ月の間に支払われた報酬の平均月額を標準報酬月額等級区分にあてはめ、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じたとき
  • 3ヶ月とも報酬の支払基礎日数が17日以上あるとき

育児休業期間中の保険料免除

育児休業期間中の被保険者の保険料は、その全額(被保険者負担分と事業主負担分)が免除されます。

免除されるのは、申出をした日の属する月から育児休業等が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間です。

保険料免除の対象となる育児休業等は、子が3歳に達するまでとなっています。

また、保険料免除期間は、年金給付などの計算時に保険料を払ったものと同様に扱われます。

育児休業等終了時改定

育児休業等を終了した後(育児休業等終了日において3歳に満たない子を養育する場合に限定)、育児等を理由に報酬が低下した場合では、次の定時決定が行われるまでの間、労働者の実際の報酬額と標準報酬月額がかけ離れた額になってしまうことがあります。

こうなると、保険料の負担が重くなってしまうため、変動後の報酬に対応した標準報酬月額にするために、育児休業等を終了したときに事業主を経由して届出をすれば、標準報酬月額の改定が行われます。

これを育児休業等終了時改定といいます。

この改定は、育児休業等終了月以後3ヶ月に受けた報酬の平均額が、その時点の標準報酬月額と1等級以上の差が生じた場合に行われます。

改定の時期は、育児休業等終了日の翌日から起算して2ヶ月を経過する月の翌月からで、改定された標準報酬月額は、次の定時決定までの標準報酬月額となります。

具体的には、以下の被保険者がこの改定の対象者となります。

  • 1歳に満たない子または1歳から1歳6ヶ月に達するまでの子を養育するための育児休業を終了した被保険者
  • 1歳から3歳に達するまでの子を養育するための育児休業制度に準ずる措置による休業を終了した被保険者

さらに、平成26年4月1日以後に産前産後休業終了日がある被保険者について、産前産後休業(原則、産前42日、産後56日のうち、妊娠または出産を理由に労務に従事しなかった期間)を終了した後、育児等を理由に報酬が低下した場合にも、定時決定まで保険料負担を調整するために、産前産後休業終了後の3ヶ月間の報酬の平均額に基づいて標準報酬月額を改定することになりました。

標準賞与額

賞与袋

厚生年金保険では、年3回までのボーナスが賞与とされます。

ただし、大入り袋などの臨時に受けるものについては賞与とされません。

標準賞与額は、被保険者が実際に受けた賞与額のうち1,000円未満の端数を切り捨てて決定され、標準賞与額が150万円を超えるときは、150万円が上限となります。

また、標準賞与額は月を単位とするため、同じ月に2回以上に分けて賞与を受けた場合には、その合算額を元に標準賞与額が決定されます。

 

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