国民年金保険の免除

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考える女性

国民年金の保険料は、原則、第1号被保険者であれば毎月納めなければなりません。

ただ実際には、第1号被保険者の中には、無職の人や所得の低い人、障害者や学生などさまざまな人がいるため、保険料を納めるのが困難な場合もあり得ます。

そういったことを踏まえて、国民年金には保険料免除制度が設けられています。

保険料の免除には、法律上当然免徐される法定免除と、生活困窮や学生であることなどの理由により、申請することで保険料の免除を受ける申請免除があります。

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法定免除

  1. 障害(原則、障害等級1・2級)を支給事由とする公的年金給付の受給権者
  2. 生活保護法による生活扶助などを受ける者
  3. ハンセン病療養所等に入所している者

のいずれかに該当する第1号被保険者は、法律上当然に保険料が免除されます。

ただし、日本年金機構が第1号被保険者の状況を調査をするわけはないため、第1号被保険者自身が市区町村長へ法定免除について届け出ることが必要です。

なお、平成26年度より、国民年金保険料を前納した後に免除該当者になった場合には、免除該当日前に納付された前納保険料のうち免除に該当した月分以後のものについては還付されることになりました。

また、遡及して法定免除となつた場合に、その法定免除該当日以後に納付された保険料はすべて還付されることになっていましたが、本人が特に希望する場合は、その期間を保険料納付済期間として取り扱えるようになりました。

さらに、法定免除に該当する場合でも、将来の年金権確保のために特に希望するときには、その後に納付することまたは前納することも可能になりました。

申請免除

申請免除は、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4段階に分かれており、所得の状況等に応じて第1号被保険者自身が申請します。

具体的には、

  1. 前年の所得が一定額以下であるとき
  2. 被保険者または被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けるとき
  3. 地方税法に定める障害者または寡婦で、前年の所得が125万円以下のとき
  4. 保険料を納付することが著しく困難である場合として、天災その他の厚生労働省令で定める事由(失業・事業の廃止等)があるとき

のいずれかに該当する第1号被保険者(学生を除く)が、市区町村長に対して免徐の申請をすることで、保険料が免除されます。

ただし、保険料の納付義務のある世帯および配偶者が、上記1~4の要件のいずれにも該当しない場合には、保険料の免除を受けることはできません。

全額免除

前年の所得が、

(扶養親族等の数+ 1)×35万円+22万円 (単身者の場合には57万円)

以下、または上記2~4のいずれかに該当する第1号被保険者(学生を除く)が、市区町村長に対して保険料の免除の申請をした場合、保険料の全額が免除されます。

4分の3免除

前年の所得が、

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

以下、または上記2~4のいずれかに該当する第1号被保険者(学生を除く)が、市区町村長に対して保険料の免除の申請をした場合、保険料の4分の3が免除されます。

半額免除

前年の所得が、

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

以下、または上記2~4のいずれかに該当する第1号被保険者(学生を除く)が、市区町村長に対して保険料の免除の申請をした場合、保険料が半額免除されます。

4分の1免除

前年の所得が、

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

以下、または上記2~4のいずれかに該当する第1号被保険者(学生を除く)が、市区町村長に対して保険料の免除の申請をした場合、保険料の4分の1が免除されます。

世帯別の免除判定ラインの所得目安を下表にまとめましたので参考にしてください。

ただし、金額はあくまでも概算ですので、具体的な申請前には、必ず相談窓口などで確認が必要です。

世帯 全額免除 4分の3免除 半額免除 4分の1免除

夫婦2人・子2人

※子は16歳未満

162万円

(257万円)

230万円

(354万円)

282万円

(420万円)

335万円

(486万円)

2人世帯

(夫婦のみ)

92万円

(157万円)

142万円

(229万円)

195万円

(304万円)

247万円

(376万円)

単身世帯

57万円

(122万円)

93万円

(158万円)

141万円

(227万円)

189万円

(296万円)

※金額は所得ベース(( )内は収入ベース)の概算です。また、得額は、社会保険料控除額を考慮したおおよその目安です。

 

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学生納付特例制度

卒業証書

学生が申請免除の適用を受けるためには、以前は、世帯主の所得が一定額以下でなければならず、世帯主である親に一定の所得がある場合、親が学生である子の代わりに保険料を納付することになっていました。

しかし現在では、将来就職して所得が生じたときに保険料を納付してもらう趣旨で、学生納付特例制度が設けられています。

これにより、前年の所得が一定基準(単身なら118万円)以下、または上記2~4のいずれかに該当する学生が、市区町村長に対して申請をした場合、保険料が免除されます。

なお、厚生労働大臣の指定を受けた大学等は、学生からの委託を受け学生納付特例の申請を行うことが可能です。

この場合には、大学等が学生から納付特例の申請を受託した日に納付特例の申請をしたと認められます。

納付猶予制度

いわゆるニート対策として、平成17年4月から平成37年6月までの期間、特例として納付猶予制度が設けられています。

これにより、前年の所得が、その者の所得税法に規定する控除対象配偶者および扶養親族の有無および数に応じて、政令で定める額(全額免除の基準と同様、単身なら57万円)以下、または上記2~4のいずれかに該当する50歳に達する日の属する月の前月までの第1号被保険者が申請をした場合、保険料の納付が猶予されます。

ただし、他の免除制度の適用を受けている場合、学生納付特例制度が利用できる学生、配偶者が政令で定める額(全額免除の基準と同じ)以上の所得がある場合、または上記2~4のいずれにも該当しない場合は、この猶予の対象となりません。

なお、若年層に限らず中高齢者にも非正規労働者などが増えている状況を踏まえて、平成28年7月まで30歳未満であった納付猶予制度の対象が50歳未満へと拡大されました。

免除等の手続き

各制度の申請は、住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口です。

免除等の期間は、市区町村において前年所得の証明が可能となるのが概ね7月以後なので、7月から翌年6月までとなりますが、学生納付特例の申請(承認)期間については4月から翌年3月となります。

なお、本人の手続き上の負担の軽減等の理由から、平成27年7月より厚生労働大臣が指定する事業者等が本人からの申請を受託できる制度が創設されています。

また、保険料免除の遡及期間について、従来は、直近の7月までの遡りとなっていましたが、平成26年度より、保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1ヶ月前までの期間)について、遡って免除を行うことができるようになりました。

学生納付特例制度や若年者納付猶予制度についても同様に、遡及して免除をうことができるようになっています。

失業による特例免除

失業した場合も申請することにより、保険料の納付が免除となったり、猶予となったりする場合があります。

手続きには、離職票等の写しなどの添付書類が必要となります。

詳細については、相談窓口などで確認してください。

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